吉田修一の「悪人」を楽しく読んだ。電車の行きかえりがまちどおしくなり、いつのまにか博多弁が口をついたり。影響受けすぎ。どういう話かというと、舞台は九州。お母さんに捨てられて以来、受け身につつましく毎日を送っている男性が出会い系で知り合ってほれた女の子を殺しちゃうって話。一言で言うと。あ、ちなみにこれは本のうらっかわに書いてあることなのでネタばれじゃありません。
新鮮味を感じたのは構成。正確にはその完成度かな。読み手に分からない登場人物の話が、本流の話の合間にはさみこまれた構成。ありがちだけど、ここまでこだわって書くと新鮮味があるなあと。似たように男性編と女性編を分けて書かれた「冷静と情熱のあいだ」があるけど、それは面白いが恋愛小説の域を出なかった。だが、これは殺人事件を題材に「ある一つのものを異なる側面から捉えるとどうなるか?」というところに迫っているところが面白い。別に利害関係も無い人たちの想いだというところも面白くしているゆえんだと思う。人間というものは人によって見せる顔が違うもの。口調、態度、表情・・・。無意識的に顔を使い分けている。例えばお母さんとしゃべる口調で上司と話したらおかしな空気が流れるように。お母さんに対する私は私の1面でしかなくて、円錐形を上からしか見せていないようなものだ。○でしかない。横から見たらすごく高さがあるのに。そんな感じ。
特に家族って、血がつながっているのに当たり前のように生まれたときから一緒で、しかも全景を知らないままでいる不思議な存在。知ってみたいような、知ってみたくないような。そんな普段思っている小さなことを考えるいい素材になったということなのかもしれない、この小説は。
新鮮味を感じたのは構成。正確にはその完成度かな。読み手に分からない登場人物の話が、本流の話の合間にはさみこまれた構成。ありがちだけど、ここまでこだわって書くと新鮮味があるなあと。似たように男性編と女性編を分けて書かれた「冷静と情熱のあいだ」があるけど、それは面白いが恋愛小説の域を出なかった。だが、これは殺人事件を題材に「ある一つのものを異なる側面から捉えるとどうなるか?」というところに迫っているところが面白い。別に利害関係も無い人たちの想いだというところも面白くしているゆえんだと思う。人間というものは人によって見せる顔が違うもの。口調、態度、表情・・・。無意識的に顔を使い分けている。例えばお母さんとしゃべる口調で上司と話したらおかしな空気が流れるように。お母さんに対する私は私の1面でしかなくて、円錐形を上からしか見せていないようなものだ。○でしかない。横から見たらすごく高さがあるのに。そんな感じ。
特に家族って、血がつながっているのに当たり前のように生まれたときから一緒で、しかも全景を知らないままでいる不思議な存在。知ってみたいような、知ってみたくないような。そんな普段思っている小さなことを考えるいい素材になったということなのかもしれない、この小説は。
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